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糖尿病の合併症の覚え方「しめじ」と「えのき」について解説
2016年3月16日。2型糖尿病治療を行なっている病院の糖尿病教室に行ってきました。今回のテーマは「糖尿病の合併症について」。講師は薬剤科の薬剤師さん。「糖尿病の合併症は『しめじ』と『えのき』と覚えておきましょう」。「しめじ」と「えのき」? 何のことだ? 糖尿病の合併症の「しめじ」と「えのき」とは――
糖尿病の合併症の覚え方「しめじ」とは?
糖尿病がやっかいなのは自覚症状が出ないこと。糖尿病を甘く見て、高血糖のまま放置しておくと、気がついたときは、合併症を併発していることが多いのが、糖尿病の恐ろしいところです。
糖尿病でもっとも多い合併症が三大合併症と呼ばれる病気。それが「しめじ」です。病気の頭文字をとって、「し」は神経症の「し」、糖尿病神経障害。「め」は目の症状の「め」、糖尿病性網膜症。「じ」は腎臓の症状の「じ」、糖尿病性腎症。
糖尿病の合併症「し」神経障害
糖尿病を放置したまま、適切な治療を受けなかった場合、糖尿病の発症から三年後には、糖尿病性神経障害を起こすといわれています。高血糖のために末梢神経が正常に機能しなくなるほか、毛細血管が詰まってしまって、手汗のしびれやこむら返りが頻繁に起こるようになります。糖尿病の合併症「め」網膜症(目の病気)
糖尿病を放置したままでいると、三年から五年で発症すると言われているのが糖尿病性網膜症。網膜に張り巡らされてる毛細血管が、高血糖によって傷つけられて、出血を繰り返し、視力も低下していきます。糖尿病性網膜症が進むと、視力が大幅に低下するだけではなく、失明に至ることもあります。糖尿病の合併症「じ」腎症
糖尿病が、五年から十年以上にわたって悪化すると発症リスクが高まるのが糖尿病性腎症。ろ過機能を担う腎臓の機能が高血糖によってダメージを受け、血液のろ過ができなくなり、血液中に老廃物が貯まってしまうので、悪化すると、人工透析によって血液中の老廃物を取り除かなくてははならくなります。糖尿病の合併症の覚え方「えのき」とは?
糖尿病を放置したまま、血中に糖があふれた状態が続くと、血管が傷ついたり、血管が詰まったりして、動脈硬化が進行し、さまざまな病気を併発します。それが「えのき」です。「え」は壊疽(えそ)。「の」は脳卒中。「き」は虚血性心疾患(きょせつせいしんしっかん)
糖尿病の合併症「え」壊疽(えそ)
糖尿病を放置したまま神経症がさらに進むと知覚神経が機能しなくなり、痛みや熱さを感じにくくなります。知らないうちに火傷(やけど)や怪我(けが)をして化膿が治らないまま皮下組織の潰瘍が進むと、骨が腐ってしまい=壊疽(えそ)、最悪は足を切断しなければならなくなります。糖尿病の合併症「の」脳卒中
高血糖の状態を放っておくと、毛細血管がダメージを受けて傷ついたり詰まったりするので、全身の毛細血管が錆びた水道管のようにボロボロになっていき、脳の毛細血管が傷つけられると、脳卒中を起こすリスクが一段と高まります。糖尿病の合併症「き」虚血性心疾患
血中に糖があふれている状態が長く続くと、毛細血管だけではなく、太い血管も傷つき、詰まっていくので、心臓にじゅうぶんに血液が行きわたらなくなり=虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)、心筋梗塞や狭心症など起こすリスクが高まります。血糖値を下げる食べ物
血糖値を下げるには何よりも食生活の改善が必須。摂取カロリーを減らすことよりも食事の質を変えることが柱になります。まずは糖質を減らすこと。そして食べる順番を工夫すること。最初に野菜やキノコ類・海藻類などの食物繊維を含んだ食品を食べて、次にタンパク質などのおかずを食べ、最後にご飯を食べます( 血糖値が上がりにくい食事 )
そういう意味では、「しめじ」や「えのき」などのキノコ類は食物繊維を豊富に含むので、血糖値を下げるには積極に食べたい食材のひとつといえます。