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病院の糖尿病教室で聞いてきた血糖値が上がりにくい食事について
2型糖尿病の治療で通院している病院で月に1回おこなっている糖尿病教室に参加してきました。今月(2016年2月)のテーマは「血糖コントロールに欠かせない食品と食べる順番について」。講師は栄養科の管理栄養士。血糖値の急上昇を抑えるポイントは「食べ方」と「食材」の二つ。それでは順番に解説していきます。
血糖値の急上昇を抑える食べ方について
血糖値の急上昇を抑える食べ方のポイントは◇ご飯より先に野菜を食べる。◇早食いをしない――この二つです。なぜ野菜から食べるといいのでしょうか?
野菜に含まれる食物繊維が糖質の分解や吸収を遅らせるので、食事の最初に野菜を食べることで食後の血糖値の上昇が緩やかになり、血糖値を低く抑えることができます。そのことで膵臓(すいぞう)から分泌されてるインスリンが節約できるので、糖尿病の発症や症状の悪化を防ぐことにつながります。
より効果を出すために、食事はよく噛んでゆっくり食べること。早食いは血糖値の上昇につながるので、よく噛んでゆっり食べることで血糖値の上昇を緩やかにすることができます。満腹感を感じやすくなるので食べ過ぎの防止にもつながります。
ジャガイモやサツマイモなどのイモ類やカボチャ・トウモロコシなどは、糖質が多いので、ここで言う野菜には入れません。海藻類やキノコも野菜と同様、食事の最初に積極的に摂りたい食材です。
お酢の力を借りて血糖値の急上昇を抑える
お酢には、消化を遅らせ、食後血糖値の急上昇を抑える働きがあるので、食事にお酢を上手に使うことで、血糖値を下げる効果が期待できます。お酢には、内臓脂肪を燃焼しやすくする働きもあるので、内臓に脂肪をたまりにくくする効果もあります。お酢の種類はリンゴ酢・米酢・黒酢などお好みで。食事の前に大さじ一杯ほどのお酢を飲んだり、酢たまねぎ を食べるのもおすすめです。
乳製品を上手に使って食後血糖値の急上昇を抑える
乳製品を上手に使うことで食後血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。牛乳やヨーグルトなどの乳製品に含まれる糖質は、分解されるのに時間がかかるので、食後血糖値の急上昇を防ぐことができます。また乳製品に含まれる糖質(乳糖)は、ブドウ糖とガラクトースに分解されますが、ガラクトースは血糖値に影響が少ない糖質なので、インスリンの負担も軽減できます。
乳製品を食べたり飲んだりすると、胃と小腸の粘膜壁に薄い皮膜を作るので、食べ物の吸収がゆっくりと行なわれ、そのことで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。乳製品は料理に加えてもいいですし、食前や食後に牛乳を飲んだりヨーグルトを食べても同様の効果が期待できます。
ただし牛乳やヨーグルト自体に血糖値を下げる効果があるわけではありません。必要以上に牛乳やヨーグルトを摂りすぎるとカロリー過多になるので注意が必要です。
血糖値を上手にコントロールするために
「食べ方」と「食材」を工夫することで血糖値を上手にコントロールすことができます。食べ方のポイントは、食事の最初に野菜を食べることと、早食いをしないこと。食材は「お酢」と「乳製品」を積極的に採りいれること。牛乳やヨーグルトなどの乳製品が苦手なかたは無理に飲んだり食べたりする必要はありません。食べる順番 を変えるだけでも食後血糖値の急上昇を抑える効果は得られます。